０系ラストランまでのいきさつ
〜東海道新幹線引退後からこれまで〜

０系の運用はすでに終了しております

０系新幹線電車は昭和39年（1964年）の東海道新幹線開業時から活躍を続けた。ただし、途中老朽化した０系を改良した別の０系により置き換えていたために、開業当初以来の車両は昭和53年頃（1978年）に廃車され、平成にまで残った車両は、多くは昭和50年（1975年）以降に製造されたものである。最終的には昭和61年３月まで製造が続けられ、その累積総数は3216両となった。 　その０系も、平成11年（1999年）には東海道新幹線（東京〜新大阪間）から撤退することとなった。これは、後年製造された100系や300系等と比べると普通車の客室設備が劣ることに加え、加減速性能が低かったことによるものであり、経年に比べて早期の引退であった。 ＪＲ東海で最後まで残ったＹK８編成　1999.1.24 静岡 　平成９年（1997年）にはＪＲ東海浜松工場による最後の０系全般検査出場が行われ、後は順次編成単位での廃車となり、平成11年３月のダイヤ改正が、東海道新幹線による０系最後のダイヤ改正となった。「こだま」のみの運転だった０系だったが、夏休み期間中には３度臨時の「ひかり」の運転が行われた。 　平成11年10月には更なるダイヤ改正が行わたため、それを前にした９月18日、東海道新幹線における０系の最終列車が運転され、営業運転に幕を閉じた。そしてダイヤ改正後の12月、大阪の鳥飼基地に留置されていた０系ＹK８編成が浜松工場へ廃車回送され、東海道新幹線から０系が消えたと共に、16両編成もなくなった。 　それ以後も、ＪＲ西日本の山陽新幹線（新大阪〜博多間）ではまだまだ０系が活躍を続けた。 　その頃は普通車も２＋２シートの「ウエストひかり（０系7000番台）」による定期運用も存在していたが、すでに「のぞみ」が幅を利かせており、脇役的存在であった。その「ウエストひかり」も平成12年（2000年）３月のダイヤ改正で「ひかりレールスター（700系7000番台）」に置き換えられる形で定期運用を終え、辛うじて残っていた臨時運用も４月下旬で終了、この時点で12両編成と０系グリーン車が消滅。 元「ウエストひかり」の車両を転用したＷＲ編成（Ｒ67）　2001.12.7 新下関 ※この編成はＷＲ編成組成時先頭車等一部新規に２＋２施行 　その後は短い編成の「こだま」で残り続けた。６両編成（Ｒ編成）の他、平成９年（1997年）に登場した４両編成（Ｑ編成）もあったが、Ｑ編成は100系４両編成（Ｐ編成）の増加に伴い平成13年（2001年）に消滅。一方、６両編成ではもと「ウエストひかり」用の車両を転用した２＋２シートのＲ60番台編成（ＷＲ編成）が登場。指定席の発券の関係で２＋３シート車とは運用が区別され、後に時刻表で明記されることとなった。これが好評なため、100系短編成でも２＋２シートの改造が行われ、一方外部塗装も２＋２シート車は０系ともども平成14年（2002年）に濃淡グレーにフレッシュグリーンに改められることとなった。 最後まで残った０系大窓車　2000.5.12 新岩国 原形塗り分け現役最後のＲ31編成　2001.12.7 新下関 ※ただし白が「クリーム10号」ではなく「白３号」 　時代と共に０系は「レトロな新幹線」と認識されるようになり、記念列車に使用されることも多くなってきた。新幹線の記念列車は昔から存在はしたが、最近では平成14年（2002年）の「山陽新幹線岡山開業30周年記念号（Ｒ31）」、平成17年（2005年）の「山陽新幹線開業30周年記念号（Ｒ10,18）」が運転された。またビュフェ室を「こどもサロン」に改造した編成もあり、平成14年（2002年）までは多客期に全席指定の「ファミリーひかり」に運転されていた。 フレッシュグリーンに塗り替えられたＲ66編成　2002.11.30 新下関 　だが、寄る年波には勝てず、短編成の０系車両も徐々にその数を減らし、大窓車は平成12年（2000年）10月のＱ２（21,22-141）、アコモ未改善（塗り分けは原形）は平成15年（2003年）10月のＲ31、アコモ改善２＋３は平成18年（2006年）３月のＲ18を最後に引退、残るは２＋２シートのＷＲ編成だけとなった。 最後まで残った青白塗装のＲ18編成 この編成は「山陽新幹線開業30周年記念」のロゴが貼られたまま 2006.2.18 新山口 　平成11年（1999年）の時点では「０系は山陽新幹線で2006年（平成18年）まで使う」とアナウンスされていたが、平成16年（2004年）７月に「Ｎ700系の増備の遅れで０系はあと１〜２年長く使う」と言う報道がなされた。そして平成19年（2007年）にＮ700系の営業運転を開始、それに伴い500系が「のぞみ」から撤退することとなり、短編成化の上「こだま」に使うことが正式に発表された。これにより残されていた０系を置き換えることとなり、いよいよ平成20年（2008年）11月に定期営業運転が終了されることが正式に発表された（平成19年12月）。 　この発表以降、反響が大きかったために、ＪＲ西日本では最後まで営業運転に就く予定のうち３編成を「原色（クリーム10号＋青20号）」に塗り替えることとなった（発表は平成20年２月）。青塗装自体は平成18年まで残ってはいたのですが、平成７年頃に白部分がクリーム10号（象牙色）から白３号（パールホワイト）に変えていたために、「久々の」原色復活と言うこととなった。 　そして平成20年（2008年）４月18日、「原色」に塗り直された０系Ｒ67編成が営業運転に入った。以後、５月にＲ61編成、６月にＲ68編成が「原色」に塗り替えられ、最後の華を飾ることとなった。 「原色」に塗り直されたＲ67編成の初日　2008.4.18 新岩国